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ほがらか文庫

本と人に出会う喜びを

ほがらか文庫008 : 「手仕事の日本」柳宗悦著

もし私が社会科の教員だったら、

この1冊を教科書にして、半年以上かけて授業を持ちたい。

大学の授業だったら1年かけても良いと思う。

しかし残念ながらそのような資格を持ち合わせていないので、

ほがらか文庫の書棚に並べることにいたします。

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この本に出会ったのは、数年前。

札幌に向かう飛行機の中で、私の座席の目の前のポケットに入っていた1冊の雑誌。

たしかJALだったと思います。その航空会社が作成している乗客向けの無料の雑誌。

その中で、この本が紹介されていました。

私はその記事を食い入るように読み、この書名を手帳にかきつけました。

 

この本は、単なる民芸品を紹介する本ではありません。

全国各地を回った著者が選んだ、その地域それぞれの手仕事を紹介する中で、

日本の自然風土・歴史・伝統、

さらにはこれからの日本人のあり方までも指し示す1冊です。

約75年前に書かれたにもかかわらず、

廃れのない新鮮さを持ち、光を放つ言葉が詰まっています。

 

この本の最後に著者はこう綴っています。

「吾々はもっと日本を見直さねばなりません。それも具体的な形のあるものを通して、日本の姿を見守らねばなりません。そうしてそのことはやがて吾々に正しい自信を呼び醒まさせてくれるでありましょう。」

 

私は時々旅にでかける際には、

必ずこの本を開き、その目的地を取り上げている頁を読むようにしています。

それだけでも、ぐっと旅が深まります。

 

また、あらためて自分の故郷の手仕事について知るのもいいかもしれません。

グローバル化まっしぐらの今だからこそ、大切にしたい自国の誇りがここにあります。

 

ともあれ、どの分野であっても学問の行き着く先は、

専門に分類された範囲には決して留まらず、

ひとつの道がすべてに通じていくような広がりを持つものだと思います。

 最近、注目されている「21世紀の資本」の著者も“パリ白熱講義”の中で、

経済の専門分野に留まらず、文学作品からも文献を引用し分析しているのが印象的でした。

 

ともあれ、今年こそ柳宗悦氏の魂が宿る「日本民藝館」に行こうと、

その機会を心待ちにするばかりです。

 

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