おまけの緒:紙の本から何かが出ていると思う
妙なタイトルなんですけど。
このところ、自宅のリビングに本棚を設置するかどうか考えています。
私は整理収納アドバイザー2級を持つ程度に、片付けなどに興味があり、それらに関連することについてはもう5年以上前から、いろいろ考えてきています。
必要なモノ、自分を幸せにしてくれるものだけを持つ暮らしをベースにして、なるべく持たない暮らしを目指してきました。そのことは以前に、書きました。
ほがらか文庫005:「持たない暮らし」下重暁子著 - ほがらか文庫
その考えをもとに、所持していた本もだいぶ手放してきましたし、近年は電子書籍も普及したので、それはそれは歓迎していました。
そういう変化に伴って、巷では町の書店の危機なども時折話題になっています。
でもここ数日、はっきり感じたことがあります。
それは、「私は本に囲まれた空間にいることに心地よさを感じる」ということです。
どうしても「読書好き」と名乗る自分がしっくりこなくて、そして、世の中にたくさんいらっしゃる読書好き、または読書家の方々と同じ土俵にあがるのが申し訳ないように感じていました。
もちろん読書は嫌いではありません。生活の一部です。
でももっと好きなのは、本から出ている、人間の英知の塊のような、ほとばしるエネルギーのような、神聖な何かなのだと思います。
私が学生時代に初めて選んだアルバイトは書店でした。
町の図書館にはもうずっとお世話になってますし、今や大学図書館を学生さん以上に活用させていただいてます。
それから、すっきりした部屋が好きな反面、たとえば、井の頭のジブリ美術館で再現されている、あのアニメたちが誕生する部屋に積まれた、いや積みきれないほどの膨大な本があるあの空間にも心地よさというかそれ以上の良さを感じます。
白洲正子さんの本棚も、あのお部屋の空間すべてが好きです。
それは良質の本から出ている何かに導かれた結果なのかもしれません。
それで、我が家の本棚の話ですけれど、持たない暮らしを改めて、良質の本は持つ暮らしに変更しようと思っています。そして、その素晴らしい蔵書たちが誰でもいつでも目に触れられる場所に置けるように、気まぐれに本棚を作っていけたらいいなと思っています。
大事なことは、そのすべてが良質の本であるかどうかということです。
それがほがらか文庫の作る空間でありたいと思います。