ほがらか文庫

ひとりよがりの読書記録

付箋:「21世紀の資本」トマ・ピケティ著

本日、「21世紀の資本」を読み終えました。読み進める中で、私が付箋を付けたところを記しておきます。

あらゆる兆候から見て、この重役報酬の変化こそが世界中の賃金格差の変遷に重要な役割を果たしてきたのだ。P.346

最高限界所得税率の引き下げは、超高所得の激増を招き、その恩恵を受けた人々が税法を変えさせるための政治力を高めた。そうした人々は最高税率を低くおさえたり、もっと下げたりするのが利益にかなっていたし、その濡れ手に粟で得た大金を政党、圧力団体、シンクタンク献金できるようになったのだ。P.348-349

資本収益率が歴史的に4-5パーセントで安定しているのは、最終的には心理的理由によるものだ。この収益率は、平均的な性急さと未来に対する態度を反映しているため、この水準からあまり変わりようがないのだ。P.374

簡単なシミュレーションをすれば、累進相続税が長期的にはトップ百分位の富のシェアを大きく減少させるのがわかる。P.389

1970-1980年あたり生まれのコーホートとうち12-14%の人が、最も賃金の低い50%の労働者の生涯労働所得に相当する相続を受けている。P.437

民間の富は公的な貧困の上に成り立っているし、これがもたらす特に不幸な結果のひとつは、私たちが高等教育に行う投資よりも債務の利払いに費やすお金のほうが今でははるかに多いということだ。さらにこれはずいぶん昔から続いているのだ。P.597

本当の会計財務的な透明性と情報共有なくして、経済的民主主義などあり得ない。逆に、企業の意思決定に介入する本当の権利(会社の重役会議に労働者の座席を用意するのも含む)なしには、透明性は役に立たない。情報は民主主義を支援するものでなければならない。それ自体は目的ではない。P.600

あらゆる社会科学者、あらゆるジャーナリストや評論家、労働組合や各種傾向の政治に参加する活動家たち、そして特にあらゆる市民たちは、お金やその計測、それを取り巻く事実とその歴史に、真剣な興味を抱くべきだと思うのだ。P.608