ほがらか文庫025:「おそうざい十二カ月」暮しの手帖版
お料理本は読みものとして開きますと、穏やかな気持ちになります。
今日の献立を探すのではなく、季節の食材・調理道具・器などを学びます。
そして気になったレシピはぼんやりと頭の中に置きます。
(こうしてリビングに飾っても素敵な1冊です。)
なぜこの本が某大手古本屋さんで100円の値札を付けられて売られているのでしょう。
見つけた私はもう驚きと喜びと救出するような興奮した思いでした。
この中にあるレシピは、たとえそれを作らなくても読んでいるだけで得られることがたくさんあります。
初版が1969年のこのモノクロのお料理本。
47年の歳月を経ても輝きを損なわない一品一品。
今ではほとんど見かけなくなった、なまりやクジラを使ったレシピなどは、懐かしさと、時代の移り変わりと、忘れたくない食卓の記憶が蘇ります。
実際に何品も作っています。
最近ですと、鰯の甘酢煮。
新鮮な鰯を、お醤油やお酢、お砂糖を水で沸かした煮汁に入れてさっと煮るだけ。
お酢をきかせた大根おろしを添えて、おいしくてやさしい晩ごはんのおかずになりました。
大根と白滝の煮物も本当にシンプルな味付けなのに、本当においしくてびっくりします。
今で言う”揚げ出し豆腐”は、お豆腐のオイル焼きという名前で、暮らしに寄り添ってくれます。
こういう心に染みる本を世に送り出してきた、暮しの手帖社。