ほがらか文庫

ひとりよがりの読書記録

ほがらからか文庫032:「読む力・聴く力」 河合隼雄著 ; 立花隆著 ; 谷川俊太郎著

ある日、歴史小説が好きな夫がめずらしく私好みの本を持ち帰ってきました。

久しぶりに見る、この3人の著者の名前。

それぞれの著作は、中学から大学時代によく親しんだので、同窓会で久しぶりに会ったような懐かしさと、さて今彼らは何を語るのだろうかと言う好奇心とが湧いてきた始めの1ページでした。

 

この本は、ある時の講演会をまとめたものです。

「読む」「聴く」という人間の持つ能力を、それぞれの経験を踏まえて縦横に語らっています。

たとえば、河合隼雄さんの「聴く」という本業、その態度。

それは、児童文学で有名なミヒャエル・エンデの「モモ」の中で、主人公のモモが住み着いた洞穴で、周りの人々の話を聞いて、聞いて、それで彼らの問題を解決していく。

河合隼雄さんのお話は、ふと「モモ」を思い出させるようであり、私自身の「聴く姿勢」をあらためて見直したくなりました。

立花隆さんの、100冊読んで1冊本を書くという、インプットとアウトプットのバランスや、「わかる」という意味での「聴く」というお話は、日々の読書記録をこのように文章にしてている私としては、身の引き締まるようなお手本になりました。

そして谷川俊太郎さんの詩が綴られ、3人の対談へと話は深まっていきます。

 

もう絶対に実現することのない、この巨頭3人の貴重な語らいは、いつまでの私の「読む力・聴く力」を引出してくれるに違いありません。また大切な1冊が加わりました。

 

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