ほがらか文庫050:「竜馬がゆく(四)」司馬遼太郎著
先日会った中学生。
歴史が苦手と言うものだから、
「私もそうだったけれど、今のあり様を理解するためには歴史を知らないとわからないよ」
なんて熱く語ってしまった。
どれほど伝わっただろうか。
事実、私はあらゆる授業の選択において、歴史を避けてきたがゆえに、今こうして長編を読みながらなんとか歴史の尻尾を捕まえようとしている。
昨年の夏に1巻を開いてから1年以上を経て全8巻の半分まで読み終えた。
言葉と無知識の波にもまれながら、4巻にしてやっと、捉えどころがわかってきたので、ここに書こうと思う。
小説のところどころに、司馬遼太郎の解説が入るのがわかりやすい。
4巻には、「切腹」の文化について触れられていた。今となっては理解しがたいが、150年前まではこういう覚悟で日本男児が生きていた、という空気を知っておくことは、諸外国から簡単に戦いを仕掛けられなくしていたことへの理解も深まる。
「覚悟」
強い言葉である。
私のお気に入りの場面は、向こうから歩いてくる新撰組の面々のど真ん中を、道端の子猫を拾い、あやしながら堂々歩いていく竜馬の姿。あまりの拍子抜けな竜馬の態度に、新撰組の者たちは刀を抜けない。
この出来事に関して竜馬は、「気」という言葉を使って説明していた。完全に戦う気を無にしているのである。竜馬の覚悟と、新撰組の覚悟は相入れないというのをものがたる、竜馬らしさを如実にする一幕だ。
ずいぶん真面目に書いてしまった。
さて、ここから後半。
もう少しペースを上げていきたい。