ほがらか文庫052:「赤毛のアン」モンゴメリ著
「赤毛のアン」と言えば、高校生のときに親しくしていた先輩(男子)が帰り道に、
「僕は“赤毛のアン”のような女の子が好きだ!」と言っていたのを思いだす。
当時、“赤毛のアンのような女の子”のイメージがひとつも浮かばなかった私は、
「ふ〜ん、そうなんだ。」とくらいにしか答えられなかった。
だからといって、そのあと私はこの本をすぐさま読んで、“赤毛のアンのような女の子”を目指そうとはしなかったのだが…
それからおよそ20年の時を経て、今、“赤毛のアンのような女の子”のイメージが私の中に浮かび上がってきた。
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「分別があるってたいしたことには違いないけれど、あたしはそうなりたいとは思わないわ。(中略)いまのところじゃ、だんだんと分別がついてくる気がするのよ。」
アンの人間像を追いながら、終盤に差しかかってこのセリフを読んだときに、それまでは“少女だったアン”の物語ということをやっと理解できた。そしてこのセリフのあたりにきたときには、もうアンは大人へとだいぶ成長しているのだということがわかった。
ここまで読み進めなければ、アンの全体像が掴めない私は、もうすっかり分別がついた大人になってしまったのだなあ、と少女アンをうらやましく思う。“赤毛のアン”のようになることは、私にはもうできそうもない。
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「一日一日と重なってゆく日々は一年と名づけられたネックレスに連ねられた、黄金の玉のようにもアンには思われた。」
こんな日々を、今年は重ねてゆきたいと思う。
英語の原文は以下のサイトで全文掲載されている
ANNE OF GREEN GABLES (Project Gutenberg)